今週のお題「ケチらないと決めているもの」

お金を貸すときはあげるつもりで貸せ、というようなことがよく言われている。たぶん、貸すという行為全般がそうなのだろう。
自分は本やマンガの話をよくする。すると知人が興味をもってくれて、貸すことになる場合もけっこうある。そして、返却されないままになっているものもわりとある。記憶にあるかぎり、いちばん最初は中学一年のときだった。銀色夏生という人のエッセイがおもしろかった、という話をクラスメイトにしたら、読んでみたいと言われたので貸した。ら、その人がその後すぐ不登校になってしまって、『つれづれノート』はそのまま帰らぬ本となった。わざわざ督促しに行くのもおかしいし、まあ別にいいかと思って諦めたのだが、そのとき、人に物を貸すと返ってこないことがあるんだなと学んだような気がする。
ハードカバーの単行本を貸して返ってこなくなったときは、しばらくしてから文庫化されたものを買い直した。文庫版解説が読めて、得したとまでは思わないが、買い替えるいい口実になったなとは思った。そういう面もある。
おもしろかった本とかマンガについて語ったあと、貸してほしいと言われると悪い気はしない。興味をもってもらえて嬉しい。気に入ってくれたらいいなと思う。だから貸すし、その気持ちが全部だから、結果的に返ってこなくても全然かまわない。そういう気持ちをケチっても仕方ないかな、と思う。