今週のお題「最近おもしろかった本」
けっこう前からSF小説の『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を推す人がSNSでも知人でも多くて、みんな絶賛してるから興味がわいて読んでみたんですけど、ぜんぜん読み進められなくて、この本を21%読む間に他の本を8冊読み終わってしまいました。もう少し読み進めたら読むのが止まらなくなるタイプの本かもしれないので、まだ期待していますが……。
というわけで(?)、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読み進められていない自分がその間に読んだ本を紹介します。
1 黒い家(貴志祐介)
がっつりホラー。霊能的なものが出てくるわけではなく、人間の怖さを書いてあるホラー小説でしたね。舞台の描写から作者が京大出身なのではないかと思って調べたらやっぱりそうでした。
『黒い家』が好きだったので、映画化もされて存在を知っていたこの本をつづけて読んでみました。緊迫した展開の連続で一気読み。勢いだけじゃなくて、きちんと伏線を張ってそれを使って展開してくところが良かったです。ちなみに貴志祐介だと『新世界より』が抜群に好きです。
3 信仰(村田沙耶香)
短編が8つ。誰もがふと思いつきそうな考えやアイデアが形になっててすごい。表題作がいちばんですね――「お姉ちゃんの『現実』って、ほとんどカルトだよね」。
4 変半身(村田沙耶香)
設定がおもしろすぎました。故郷の秘祭に狂気と閉塞を感じた少年少女が島を脱出しようとするが実は……というお話です。併録の「満潮」は、設定は意味がわからないんですけど、なぜか共感も感じられる不思議な話でした。
5 改良(遠野遥)
こういうウダウダウジウジ悩んでる系の小説(失礼でごめんなさい)がやっぱり好きだと再認識しました。あらすじを読んで興味が湧いた方はぜひ。
6 教育(遠野遥)
ディストピアな学園小説で、意味不明な設定だと思いつつ受け入れて読んでいたら、ラストのほうで急に現実を感じてびっくりました。先に紹介した『改良』より好きです。
7 彼女が好きなものはホモであって僕ではない(浅原ナオト)
だいぶ前にNHKでドラマ化されてたことは知っていて、ずっと”ほしいものリスト”に入っていたので読んでみました。タイトルはむしろ逆なんじゃないかと思いましたが、作中でもちゃんと言及されてましたね。アイ・ウォント・イット・オール、わかる気がします。
8 おいしいごはんが食べられますように(高瀬隼子)
あんまり食の話だとは思わなくて、職場小説だと思って読んでいました。職場にいるどうしようもない人の話とか、職場恋愛への疑念とか、共感しながらおもしろさを感じる本でした。
写真は「Bar十誡」というブックカフェに行ったときのもの。雰囲気が最高でした。